Workplace · B型の工賃
B型の工賃(平均工賃)について
B型の工賃は作業実績に応じたもので、最低賃金がそのまま適用されるわけではありません。公表値の読み方と、事業所選びのポイントを整理します。
B型の工賃の基本
就労継続支援B型は雇用契約のない福祉サービスです。支払われる「工賃」は、作業の実績や事業所の収入などをもとに算定され、最低賃金がそのまま適用される仕組みではありません。
公表されている平均値(過年度修正済み)
| 年度 | 平均工賃月額(修正後) | 備考 |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 24,141円 | 厚生労働省公表の全国平均。個人・事業所の支給額を保証する値ではありません。 |
| 令和5年度 | 22,649円 | 厚生労働省が令和8年3月に過年度修正(修正前23,053円、-404円) |
※出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」。令和6年度24,141円は全国平均で、個別事業所の工賃を予測する値ではありません。最新の公表値は同事業のページでご確認ください。
なお、令和6年度の報酬改定に伴い、B型の平均工賃月額は「1日の平均利用者数」を分母に用いる新しい算定方式が導入され、令和5年度から新方式の値が反映されています。年度をまたいで数値を比べるときは、この変更も踏まえて読みます。詳しくは厚生労働省の令和6年度工賃(賃金)の実績をご確認ください。
工賃と事業所の報酬は別の数字
厚生労働省の令和8年度報酬改定では、就労継続支援B型の基本報酬区分の基準が2026年6月から見直されました。基本報酬は事業所のサービス費を算定する区分で、利用者一人ひとりの工賃月額を直接決めたり保証したりするものではありません。下表は見直し対象となる事業所の平均工賃月額の境界で、全事業所が一律に新しい区分へ切り替わる表ではありません。制度の変更は厚生労働省の「就労継続支援B型の基本報酬区分の基準の見直しについて」で確認できます。
2026年6月からの基本報酬区分の境界
下表は、平均工賃月額に応じて算定する就労継続支援B型サービス費(I)・(II)・(III)の基本報酬区分の境界です。見直し対象の事業所に適用される基準を示し、利用者個人の工賃額や事業所の良し悪しを直接示すものではありません。
| 区分 | 従来の境界 | 2026年6月から |
|---|---|---|
| 1 | 45,000円以上 | 48,000円以上 |
| A | なし | 45,000円以上48,000円未満 |
| 2 | 35,000円以上45,000円未満 | 38,000円以上45,000円未満 |
| B | なし | 35,000円以上38,000円未満 |
| 3 | 30,000円以上35,000円未満 | 33,000円以上35,000円未満 |
| C | なし | 30,000円以上33,000円未満 |
| 4 | 25,000円以上30,000円未満 | 28,000円以上30,000円未満 |
| D | なし | 25,000円以上28,000円未満 |
| 5 | 20,000円以上25,000円未満 | 23,000円以上25,000円未満 |
| E | なし | 20,000円以上23,000円未満 |
| 6 | 15,000円以上20,000円未満 | 18,000円以上20,000円未満 |
| F | なし | 15,000円以上18,000円未満 |
| 7・8 | 15,000円未満 | 変更なし |
| 9 | なし(経過措置対象) | 変更なし |
すべての事業所がこの新しい境界へ切り替わるわけではありません。令和7年度の平均工賃月額が1万5千円未満(基本報酬区分七・八)の場合は、境界の見直しがありません。指定時期や令和5年度から令和6年度にかけた区分の変化などにより、見直し対象外となる事業所もあります。令和5年4月以前に指定された事業所は、令和6年3月から4月に基本報酬区分が変わらない、または下がる場合、見直し対象外です。令和5年5月から令和6年3月に指定された事業所は比較する月が異なるため、個別の確認が必要です。見学時は、事業所の適用区分と、対象外の場合はその根拠資料を確認してください。詳細は厚生労働省のQ&A VOL.1(問27〜30)とQ&A VOL.2(問2・3)に示されています。区分の見直しによって、利用者個人の工賃額が自動的に増減するわけではありません。
月額平均の読み方
- 平均値はあくまで目安。個別事業所では通所日数・時間・作業内容で大きく異なります。
- 「平均より高い/低い」だけで良否を決めず、作業内容・通所時間・支援・費用とのバランスで見ます。
- 「手取り」「月収」と混同しないよう、公表値は「工賃月額」です。
工賃規程の確認
各事業所には工賃の算定方法を定めた「工賃規程」があります。見学時には、工賃の計算方法・上限・交通費・食費等の扱いを確認するとよいでしょう。質問を整理するならA型・B型の見学で聞くことリスト、事業所ごとの条件を持参メモにするなら見学チェックツールが使えます。
事業所選びで確認すること
- 工賃規程の内容と計算方法、報酬改定後に変更があったか
- 直近の工賃実績と作業・通所日数との関係
- 交通費・昼食・送迎等の実費負担
- 作業内容と自分の体力・スキルの関係
- 一般就労を見据えた支援の有無