41.4%は「ハローワークの就職件数 ÷ 新規求職申込件数」
厚生労働省が2026年6月19日に公表した令和7年度(2025年度)の報告では、ハローワークを通じた障害者の就職率は41.4%です。計算は、令和7年度中の就職件数115,178件を、新規求職申込件数278,136件で割ったものです。令和6年度(2024年度)は43.1%でした。
就職率と一緒に、分子と分母の件数、対象となる年度、どの経路の記録かを確認すると、数字の意味を取り違えにくくなります。
| ハローワークを通じた職業紹介状況 | 令和6年度(2024年度) | 令和7年度(2025年度) | 前年度からの変化 |
|---|---|---|---|
| 新規求職申込件数(分母) | 268,107件 | 278,136件 | 10,029件増(3.7%増) |
| 就職件数(分子) | 115,609件 | 115,178件 | 431件減(0.4%減) |
| 就職率(就職件数 ÷ 新規求職申込件数) | 43.1% | 41.4% | 1.7ポイント減 |
発表日は2026年6月19日ですが、数値の対象は令和7年度(2025年度)です。暦年2026年の実績や、2026年7月に始まった法定雇用率2.7%の影響を表す数値ではありません。
件数の集計範囲を確認する
報告書は新規求職申込と就職を「件」で集計しています。年度ごとの申込件数と就職件数を割った値であり、同じ応募者を追跡した結果の割合ではありません。41.4%を「応募した一人ひとりが41.4%の確率で採用される」と読むことはできません。
これはハローワークを通じた職業紹介状況です。報告書は、ハローワークの紹介を経ないオンライン自主応募による就職件数を含めていません。また、新規求職申込件数にも、オンラインで申込み後、同じ月に来所しなかった申込みは含まれません。全国のすべての採用経路を合算した値や、地域の求人件数そのものではありません。
厚生労働省は、A型事業所への就職件数の減少が、全体の就職件数の微減に影響したと考えられる要因の一つとして挙げています。したがって、就職件数全体を民間企業の一般雇用への移行だけと見なさないでください。
精神障害者は就職件数が増えても、就職率が下がった
令和7年度は精神障害者の就職件数が前年度より1,062件増えました。一方、新規求職申込件数の増加の方が大きく、就職率は42.8%から40.3%へ2.5ポイント下がっています。
| 精神障害者の集計 | 令和6年度 | 令和7年度 | 前年度からの変化 |
|---|---|---|---|
| 新規求職申込件数 | 153,223件 | 165,316件 | 12,093件増(7.9%増) |
| 就職件数 | 65,518件 | 66,580件 | 1,062件増(1.6%増) |
| 就職率 | 42.8% | 40.3% | 2.5ポイント減 |
分母の新規求職申込件数が就職件数より速く増えたため、年度合計の比率は下がりました。障害種別の集計値から、個人の採用可能性や「雇われやすさ」を順位づけすることはできません。
法定雇用率2.7%とは別の数字
法定雇用率2.7%は、2026年7月から民間企業の事業主に適用される雇用義務の基準です。一方、41.4%は令和7年度のハローワーク職業紹介における就職件数を新規求職申込件数で割った統計です。分子・分母・対象時点が異なるため、同じ「雇用率」として比較したり、2.7%が令和7年度の結果を生んだと考えたりしないでください。制度の内容は法定雇用率2.7%のガイドで確認できます。
就職活動では、統計を応募確率ではなく確認の出発点にする
この年度集計から地域の求人件数は分かりません。希望地域・職種・勤務時間に合う募集があるかは、ハローワークの求人情報や相談窓口で確認してください。
相談時に使える4つの質問
- 「希望地域・職種・勤務時間に合う求人は、今どのくらいありますか」
- 「求人票だけでは分からない仕事内容、通勤、休憩、契約条件は何ですか」
- 「仕事で困る場面や必要な配慮は、いつ、誰に相談すればよいですか」
- 「応募前に支援者やハローワークへ伝える希望条件を、どのように整理するとよいですか」
求人票の確認には求人票を見るチェックリスト、開示や配慮の準備には障害の開示と配慮のガイド、相談内容の整理には相談メモも使えます。
41.4%は障害のある求職者のうち、41.4%が就職したという意味ですか。
令和7年度の就職件数を新規求職申込件数で割った年度集計です。同じ申込者を追跡した割合ではなく、一人ひとりの就職確率を示しません。
精神障害者の就職件数が増えたのに、なぜ就職率は下がったのですか。
新規求職申込件数が7.9%増えた一方、就職件数は1.6%増でした。分母の増加が相対的に大きいため、年度合計の比率は下がりました。
法定雇用率2.7%と就職率41.4%は同じ基準ですか。
違います。2.7%は2026年7月から民間企業の事業主に適用される雇用義務の基準、41.4%は令和7年度にハローワークを通じた就職件数を新規求職申込件数で割った統計です。
最終更新:2026-10-01 確認日:2026-10-01 根拠:厚生労働省「令和7年度 ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況」